研究室について
はじめに
- 核融合エネルギー開発用トロイダルプラズマの閉じ込め改善と制御法の開発
- 世界に先駆けた2流体プラズマ状態の実験的検証とその応用分野の開拓
- ゆらぎのない新奇ナノプラズマプロセスの開発と一様な3次元量子ドットの低温下での製作
- 電気電子回路技術を駆使した新しい計測装置の設計・製作
- 発光や画像解析を利用したプラズマ診断法の開発
に関する研究を行っています。プラズマの基礎からプラズマを用いた応用技術の開発に至る幅広い範囲を対象としています。そのために必要な装置や計測器からエレクトロニクスまで研究室で設計・製作しています。さらには、研究に必要となる数値シミュレーションも自前で行っています。このようにハードからソフトまでの全てを扱っていることが特徴です。
核融合エネルギー開発については国際協力で進められている超大型プロジェクト「国際熱核融合炉(ITER)」の建設が始められており、制御熱核融合反応を用いた電力発電実験が現実の日程にのぼるようになりました。このような情勢の中で、大学においてエネルギーに関連する諸分野の教育と研究を押し進める必要があります。
また、工科系大学におけるプラズマ研究としては、社会とのターンアラウンドが早い産業技術に関する開発研究も不可欠です。新しいプラズマテクノロジーを作り出すための研究開発を推進するとともに、それを生み出すために必要なプラズマ基礎物理も開拓しています。歴史的に見ると、プラズマ理工学は核融合エネルギーという人類にとって非常にチャレンジングな国際プロジェクトとともに発展してきています。この流れは産業界のあらゆる分野へのプラズマテクノロジーの浸透へと引き継がれています。我々もさらなる新しい知と技の実現を使命と考えています。
現在の主要課題
今年度の内容へと更新中です、しばらくお待ち下さい。
学生指導の方針
プラズマ、特に、我々のプラズマ基礎工学研究室(プラ研)が専門としているプラズマ科学およびその関連分野は、総合工学の一つにも分類されており、非常に幅広い理工学の知識を基盤として成り立っています。プラ研では、このプラズマの普遍的物理の探求と、その学理に基づく新しいプラズマ産業応用技術の開発を行っています。ゆえに、学生の皆さんはこれらの研究テーマを追求していく過程で、他分野に属する広範な学術知識までも自然に網羅することができていきます。これがプラ研の最大の特徴「つぶしが効く学識が身に付く」理由です。したがって、学生の皆さんが社会に出る時、理工系の幅広い分野で活躍できる可能性が開けています。実際、卒業生の進路は、非常に多岐にわたっています(構成員のページを参照)。
プラ研では、最先端の学術動向を反映した(に関連する)重要な研究テーマを学生の皆さんに提示し、各人の希望に応じて選択してもらいます。なお、特に強い希望があれば、独自のテーマで研究を行ってもらうことも可能です。教育活動における我々の目標は、卒業研究や修士課程、さらには博士課程での研究を通して、プロフェッショナルを育成することです。重厚壮大な設備から小さなエレクトロニクスまで、モノづくりを大切にする実験系研究室で「理論の分かる実験屋」を育成することが重要と考えていますので、学生の皆さんには数学・物理の基礎からじっくりと積み上げていく足腰の強い勉強のスタイルを身につけてほしいと思っています。
実際の研究室活動では、できる限り丁寧な指導を心がけています。プラズマ研究は、プラズマ発生装置から計測装置に至るまで、オリジナル装置が多いことが大きな特長です。これは、市販品には最先端の研究が必要とするようなスペックを持つ物がほとんど存在していないことが理由です。そのため、研究に際しては目的に合った実験装置を設計・製作し,さまざまな被測定量(電流・電圧・磁場・電場・数密度・エネルギー・光(電磁波)・粒子など)を対象とした測定を行う必要があります。これらのためには、学部課程で履修する科目の知識を総動員する必要があります。次に、独自に開発した計測器から得られるアナログ信号は、デジタル信号へと変換された後、保存されます。このデジタル信号にオンラインまたはオフラインで様々なデータ処理を施して、ようやく実験データとしての意味が現れてきます。したがって、信号処理や科学データ解析手法、プログラミングに関するノウハウをも修得できます。このように,プラ研での研究生活を通じて、皆さんが学部課程で学ぶ内容を「生きた知識・技術として身につけることができる」のです。この一連の過程のあらゆる段階において、我々は学生の皆さんを懇切丁寧に指導します。